2024年5月21日
太陽光は最強の「覚醒スイッチ」
朝、眠気を覚ますには、太陽光などの強い光をしっかり浴びるのがなにより重要。
睡眠から目覚めた直後の人間の身体は、エンジンをかけたばかりの自動車のようなもの。わたしたちの身体では自律神経が働いていますが、エンジンをかけたばかりの自動車のような「アクセル」となる交感神経よりも、リラックスさせて身体の機能を休める「ブレーキ」役の副交感神経のほうが、優位な状態にあります。
では、どうすれば交感神経が優位な状態へとスムーズに切り替わるのでしょう?そのために必要なのが、強い光による刺激です。これがシグナルとなって、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌がストップして眠気が弱くなり、交感神経が優位な状態へと移行しやすくなります。このメカニズムは、目覚まし時計などの音ではなく、外から差し込む太陽の光で起きるもの。これが、目覚めをよくする秘訣です。
日当たりのいい環境ならば、カーテンを開けたままで就寝するといいでしょう。真冬など、それでは寒いという場合には、目覚めたらすぐにカーテンを開け照明もオンにしてしまいましょう。住居環境的に難しいなら、このところ注目を集めている「光で起こしてくれる目覚まし時計」を使うのもいいかもしれません。
朝のうちにしつかり太陽光を浴びることで、体内時計が調整されるというのも重要なポイントです。睡眠時間のズレが生じた場合は、体内時計をしつかりと調整しなければどんどんズレていってしまう。わかりやすくいえば、どんどん夜更かしする方向にズレていってしまうということです。寝起きの悪さを感じている人は、これが原因である場合が少なくありません。
太陽光に直接あたらなくとも、強めの光を見るだけで効果はあります。雨の日や、テレワークで自宅の外に出ないような日には、起床から4時間以内、午前中のうちに窓から外の景色を眺めてみてください。これだけで、体内時計が調整されます。
*この文章は、『熟眠法101』(著者:睡眠専門医 白濱龍太郎)の内容を引用しています。